そこにある灯り

今、すごく幸せだ。


中越しに彼女の寝息が聞こえる


それは

とても愛おしく

満たされる音。



思えばここ数日

仕事でイライラしっ放しだった




生まれて初めて

恋人の前で泣いた





親友の前でさえ泣かない





妹が二人いるから

小さい頃から

涙をひとに見せることは

よほどじゃない限り無かった





祖父や祖母が亡くなった時も

お風呂で1人になって

やっと涙を流したくらいだ





人前で涙なんか見せたことがない





感情を表に出すことを

ことごとく抑える性格





そんなあたしが

彼女の前で泣いた





正直、自分自身が1番驚いた





素直に感情を出せたことに

何より自分自身が1番驚いた






この彼女にしか

こんな情けない姿見せたことない



多分、家族にも、友達にも。

今までの恋人たちにも。





あたしの人生で

今が1番幸せだと

心から感じる





だけに、

少し怖い。




壊れてしまうことを

どうしても怖がってしまう




刹那的に生きてきたからか。





いつも諦めて生きてきたからか。






あたしの人生に

灯りがともり


それを見つけた喜びと

同時に生まれた

それが消えてしまうことへの不安





気持ちにブレーキをかける

無意識に。



好きになるって

理屈じゃないよなホント。


坂を転がり落ちるかのように

どんどん好きになる。




知れば知るほどに。

共に過ごせば過ごすほどに。





だからこそ

この背中越しに聞こえる寝息を

より愛おしく思うのだろう


大切にしていきたいと。